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2015年9月12日 (土)

ROCKSHOX REBA RL 29(2015) ダンパーオイル交換とおまけ~SoloAir

久しぶりの機材ネタである。フォークオイル交換。今までFOXのオープンバスとFITカートリッジ(2012迄)を紹介したが、今回はRockshox、レガシーな構造のモデルだ。

お約束で、もし、この記事を見て作業の参考にしようという方が居られたら、自己責任でよろしく。

詳細はSRAMのサイトのサービスマニュアル(英語他、日本語は無し)ご参照。

以下は作業時の気付いた所などをピックアップ。

まず道具類。

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(だいたい右から)アーレンキー5mm(ステムやキャリパー外す際に使用するだけで、本体で使うところは無い)、2.5mm、ロングのアーレンキー5mm、サスポンプ、24mm六角ソケット、サークリッププライヤー(今回は使用せず)、5wtフォークオイル、7wtフォークオイル=本来、マニュアルでは15wt指示だが、使用量が少ないのと、直接ダンパーに働くところではないので残りの油、それも社外品で)、オイルパン、軽量カップ、スポイト大小。ここに載せるの忘れたが、プラハン(プラスチックハンマー)、ラジオペンチ、多い目のウェスは必要。

分解順は①エア減圧~②アウター(ロワー)レッグ取り外し・油排出~③フォームリング取り出し&洗浄、注油~④コンプレッションユニット(MotionControl)取り外し・油排出~⑤リバウンドユニット取り外し=今回せず・油排出、で

組立は⑥ダンパーオイル注入~⑦コンプレッションユニット取り付け~⑧アウターレッグ取り付け~⑨エア加圧、である。

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まずエアチャンバー減圧。ポジ気室を下げれば、ネガ気室も下がる=脚が短くなるはずだが、旧FOXのようにネガが金属のスプリングではない為、グイグイ縮んでいく感じではなく、どちらかというと手である程度押してやる感じ。この時点で無理に全部抜く必要はない。

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リバウンドノブは差し込んであるだけなので、引き抜けばOK。そこにロングの5mmを刺し、ボトムボルトを3~4回転(3回転でいい)緩めて止める。で、このアーレンキーが刺さったまま、アタマをプラハンで叩く。シャフトをアウターレッグから抜くためだ。シャフトが抜けたら『ジュゴォッ!』という空気の音がする。結構しっかり叩く必要があるし、ここでネジを潰したくないので、なるべく緩めるのは最小限に。3回転で抜けなければ4回転目に、という気持ちで。

抜けた音がしたら、ボルトを緩めきり、オイルパンにボルトと廃油を落とす。ダンパー側が終わればエア側も。いっぺんにやろうとすると、不意に油が散るのでお勧めしない。

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本来純正15wtは透明(だったと思う)だが、エア側はSRAM Butterが少し出たか、赤くなっていた。

さて、ここから先にアウターレッグ側の作業を先に。内外を拭きあげ、フォームリングをそっとペンチで引き抜く。本来はダストワイパーを外してからの作業だが、ダストワイパーの圧入工具が無いのでお手抜きで。

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内側がいい具合?に黒くなっている。エア側で不具合があって、店で全日本前に開けた時はこんなこと無かったので、おそらくあの富士見の黒土が滲みたか。これをウェスで摘むように絞っていく。さらにオイルを加えて揉み、同じ作業を数回・・・

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どこまで?だが、自分はこんなもんで。これに新しく入れるDU潤滑用のオイル(今回は7wt)をスポイトで滲みこませていく。ヒタヒタになったらアウターレッグの元の場所に挿入する。ただ、その際は捩れが無いように何回か摘んでは押し込み、を繰り返す。もし、一部でも捩れや突出があると、“噛みこみ”が発生する可能性がある。慎重に。

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戻した状態。開けたときは周りも真っ黒だったが、何とか見れる状態に。

さて、メインのダンパーメンテへ。

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トップキャップ上のコンプレッションノブを取り外す。モデルRLは調整機能が少ないので、この部分はシンプル。意外とピッチの長いネジで留まっている=一瞬タッピング?と思った程。

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外すとこんな感じ。ディンプルは全周にあり、例の如くクリック感は手前の凸部で表現されている。

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24mmの六角ソケットでMotionControlユニットを緩め(FOXみたいにガチガチに締めていないのですんなりと緩んだ)、ゆっくり引き抜く。その際、一気に引き抜くのではなく、徐々に、かつ横に振りながら油を下に落とす感じで。因みにユニット下側はOリングでパイプの内壁面に接しており、この状態でも中に落ちたりはしない。

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MotionControlユニット。通称「焼きちくわ」。この構造が複雑になればなるほどお高い物に。これは油の流量を大雑把に制限するだけの物。

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コンプレションノブの全開時と全閉時。この僅かな隙間からユニット内へ油を上げるか、止めるかを段階的に制御。縮み側も、伸び側も影響を受ける。このユニットは常時、半分程度油に浸かっている。

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よく分からない写真になってしまったが、油をオイルパンに吐出した図。ピチョンと滴った部分が右上に。何が言いたいかというと、そんなに汚れてなかったって事。2月に自転車がロールアウトして約7ヶ月使用。よく考えれば、オープンバスのようにDU潤滑とダンパー制御を兼ねているモデル(昔持っていたF80RLCなど)と違い、スタンチョン内の塞がれた筒の中でピストンの擦れる動きだけなので、外から汚物が浸入することはほぼ無い。ただ、FITカートリッジのように空気すら遮断した構造じゃない分だけ、ダンパー内の空気と撹拌され僅かに酸化する事と、摩擦熱や流圧で劣化する部分が性能低下につながる要因かな、と。

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シールヘッドとダンパーシャフト。そしてその中側。本来はそれを留めているCリング(リテイニングリング)を外して、そのものを抜くのだが、シャフトを『シュコシュコ』してると下側の油も吹き出てきたので、今回は作業せず。ただ気をつけなくてはいけないのが、シャフトは挿入すればする分だけ入っていく、止まるところが無いので、押し込み過ぎると上から抜ける可能性が。またそれを戻すのは大変そうだから、写真より先に押さないように。

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新しいダンパーオイル、純正(MAXIMA製と思われる)5wt×106cc。これを筒に流し込んで、MotionContorolで蓋をして、アウターレッグを嵌めて

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逆さにしたら左右、DU潤滑とフォームリング用に5ccの油。これが本来15wt指示。今回手持ちの7wtで。注入口が奥まっているので、大きなスポイト計量メモリ付きで対応。

後はフォークを縮めて、エア/ダンパーシャフトをアウターレッグに密着させて、ボトムボルト締め上げ(※ここでも本来ならクラッシュワッシャーを交換するのが望ましい)。ダンパー側はリバウンドノブを奥までしっかり挿入し、後はエア加圧。自分の設定値まで上げて完成。

自転車に組み込んで、少し近所を走ったが、それまでと大差は感じなかった。ただ、リバウンド調整が、数クリック分、スロー側に振っても大丈夫だったので、油の流れが少し良くなったのかもしれない。後はオフロードで実践走行でチェック。

そうそう、組み込み直後は、MotionControlに充分油が行き渡ってないので、ロックが効かない。サスに体重をかけ、何度か大きく(ほぼフル)ストロークをさせてからチェックね。

(おまけ)

先述したが、夏前に一度店でこのフォークを開けている。そのときはエアチャンバー側。以下にその際の写真を挙げる。

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エアチャンバー側はグリス=SRAM Butter(JUDY Butter)、RedRumでコテコテ。その作業をしてもらっている間に、例の謎の仕組み=SoloAirの秘密を探るべく、スタンチョン(インナーチューブ)の中を覗くと

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これだ。

エアピストンの上=ポジ気室と、下=ネガ気室を同じ空気圧にするためには、どこかに空気の通路が無くてはならない・・・それが写真の中央辺りにある小さな溝。縦横1~2mm、深さも1mmあるかな?程度。この位置にエアピストンが来ると、加圧している際はポジからネガへ空気が流れる。逆の際はポジ圧が下がると、ネガ圧の方が勝つが、ネガ室が伸びる(大きくなる)ので逆流のケースは少ない。どうしてもやりたい場合は、フォークを引っ張り、ポジ室の圧が低、ネガ室を高(元の圧)にして、さらに引っ張ってこの穴にピストンが来るくらいにすると、『プシュ』といってネガからポジ側に空気が入って(戻って)くる。

参考になりましたかな。

2015年5月25日 (月)

大径化は悪か。

昨年、我々26in乗りは、いつも大径車乗りに煽られ、抜かれ、ぶっちぎられ…辛酸をなめ続けてきた。私がパワーやテクニック共に他者より秀でていれば、そんなことを気にする事もないだろうが、同じクラス(ステージ)で走っている面々は、自分と殆どパフォーマンスが変わらないか、それ以上の選手ばかりだ。そんな彼らが29erや275を乗ればそのアドバンテージ分だけ成績に反映するのは自明の理。

ある意味本当に「懲りた」ので、今シーズンは無理をしてでも大径車を入手し、せめてライバルおじさんらと機材だけでも同じ立ち位置に居たい、と思い、昨シーズン終了から金策含め新車の検討を開始。

因みに勘違いしてもらっては困るのだが、今まで26inに乗っていたのは、29erや275が嫌いだから、新しいモノに対してアンチだから、ではない。ただ、その買い替え潮流に乗るタイミングを逸していただけのことだ。

ただ、26inに乗り続けた事、これは自分にとって大きな意味を持つ。

本格的にXCレースに参戦して丸4年、いろんな方から教えを請うて、この5年目でやっとこの競技、及びその練習にある程度耐えうる“身体”になってきた気がする(ここで痩せた肥えたは言わない)。既に半世紀生きたリアル中年な私、今更“成長”したわけではなく、なんとなく“順応”したという言葉がフィットする。そして今までの過程で一段一段、教えられたトレーニングをこなす中で、それまでの自分と比較する際に、26inという一元化した機材で変化を観察出来たことは、プラスな事だったと考える。

そんな中、自分が“完成した”と自惚れたのではなく、この年齢になって、あと何年競技続けられるんだ?とか、同等の機材を持ってしか、仲間同士で試合で絡む事や練習時遅れを取ること無く一緒に追い込める事が難しくなる…そんな焦りから29erまたは275にスイッチすることにした。

と言っても予算は少ない。店に相談し、ほぼ決め打ちで機種は決まった。「店の都合」「業者の都合」「懐の都合」でコレだ。

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Frame:LITEC QUE 17.5in
Fork:ROCKSHOX REBA RL(2015) 29 1.5T
Wheel:XT=WH-M785-29-F15/R
MainCompo:XT&SLX mix

「変わるなら劇的に」だ。コントロール性と、26inからの乗り換えで違和感が無いと言われた275は敢えてやめた。乗り物として“別物”な29erにした方が、それを乗りこなす事もテーマとして新鮮味があるだろうと。

LITEC QUEは発表が2012年。KWを乗り始めて半年位後にリリースされている。その時から基本スペック・ジオメトリは変わっていない。というかモデルチェンジしてない。自己基準的なスケールで言うと「第2世代」XC系29erだ。フレームも“超軽”ではなく、1.2kg程の重さ、至って「安全カーボン」。リアエンドも9mmQR。

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新規パーツはRD、フォーク、ホイール&ローター、ハンドルバー。
移植パーツはクランク(但しチェーンホイールは26in時の40/28から38/26(中古)へ)&ペダル、サドル、グリップ、右(R)シフター、カセット&中古FD。
タイヤは今のところ前後ともIRC MYTHOSXC 29 TR。
フォークはあれほどFOX派(FOXフェチ)だった私が、何故にROCKSHOX?と突っ込まれそうだが、これこそ店や業者都合。ご存じの通りLITECはダートフリークさんのプライベートブランド、ROCKSHOX(SRAM)は同社が日本総輸入代理店。あ、別に安くなったとかベタなメリットは無い。…こんな理由も面白いが、本当の選択理由は「自分でメンテできるから」。もう現行のFOX、CTDダンパーに至ってはダンパーオイル交換すら出来る気がしない。

あと、これになったコストメリットが、元が「完成車」だということ。一部の方はご存じかも知れないが、(たぶん営業施策的に)一時的に出回った、メインコンポをM66x系のSLX、ローエンドのROCKSHOXフォーク、ローエンドのFULCRUMホイール&スチールビードのチューブドタイヤ、一部自社パーツで組まれたものだった。
その中でLITECステム+シートポスト(非売品)、M666ブレーキシステム、M66xの左(F)シフターをそのまま利用。これはその部分のパーツ代数万円が助かったという事。…それ以外はレースレディではないので取り外した。

店にはアッセンブル時にケーブル関連、ヘッドパーツ、チェーンを最適化してもらい、完成。およそ10.8kg前後だそうだ。今まで乗っていたKWとあまり変わらないか、チョイ重な感じ。

KWと比較して、はっきり言って見た目は全然、新鮮味は無い。本体カラーはカーボンメッシュ生地(デザイン)ベースに白ロゴ、ホイールも黒系。違うのはKWがフォークの色が白、QUEが黒という位。

パーツグレードは総じて見ればグレードダウン。仕方がない、実用重視。そりゃXTRがええのは分かるが、今の自分がハンドリングできるお金で、さらにクラッシュリプレイスメントを考えるとこの辺りが妥当。

2月から乗り始めて約4か月、実際、乗って直ぐは戸惑った。ここに来て、試合で実戦を踏み、先人の教えと自己分析を経て、ようやくこの自転車がコントロール下に入ってきた。漕ぎに関しては、ペダリングポジションを今までのに合わせてあるので、大きな違和感も無いが、やはりコーナーリングが問題で、自分のフォーム含め姿勢制御、合わせてセッティングは、今まで以上に“意識”が必要だというのを感じている。

練習では、それなりの“時短”効果が出ているが、先の高島戦ではそれを発揮できず・・・今後に期待?(できるのか?)

そうそう。インプレ・メカフェチ風は今後追々に。

2014年2月23日 (日)

シロウト的に BMC teamelite TE01 29

さて、久しぶりのインプレッションシリーズ。

今日はかかみ野で、ねこのじてんしゃ屋さん&輸入元のフタバ商店のお世話によるBMCオフロード系バイクの試乗会。貴重な機会をもらって感謝です。

用意されたのは、XC系ハードテイル29er、及びフルサス29er、CX車。oh!ハシ君やまっちゃんはCX車がお気に入りで結構長い時間乗っていたが、私は脇目も振らず、当然HT29erの最高峰、teamelite TE01だけを試乗。ペダルを自分のeggbeaterに替えてもらい、大体だがサドル高も合わせ(実際走ったらちょい低かった)、本コース+STを走ってみた。

実走での感想を語る前に、外観を写真にて(試走後にペダルを外した状態で撮影)

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試乗したのはSサイズ・(エフェクティブ)トップ長が590mm。因みにしんちゃんのはMサイズ・615mm(彼のも少し乗ったが、サドル高過ぎでイメージ捉えられず)

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3Tのステム、ハンドル。それぞれ70or80mm/720mm程度。自分の乗ってるKWよりハンドルだけが少し広い感じ。リモートレバーはFOXフォークのCTDを手元調整するもの。今回はニュートラルな“T(Trail)”固定でコースを走った。

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このモデルはフルXTR仕様、フロントはトリプルだ。当然だが、もう一方の仕様であるXX1タイプの方が全体的に軽い。

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ホイールはカーボン。

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フォークは我がFOX 32Float 29 Factory CTD(w/remote)、チョチョイとダンパーセッティングをイジって自分好みに(エア圧までは変更できず)。タイヤはコンチだ(チューブドかな?重かったぞ)。

TE01でXTR仕様とXX1仕様の差は、コンポ以外に

・3Tのステア周り/BMCオリジナル

・ホイールがカーボン/アルミ

・細かな所でサドルレールがカーボン/金属

で価格差が20万円(税別)!あ、完成車でXTR仕様=80万円(税別)、XX1仕様=60万円(税別)、フレームのみ35万円(税別)也。私にゃ余裕で手が届かん。

で、本題。走ってみてどうか。そう、練習で一旦「脚が売り切れに近い」状態だと言うのは付け加えておく。

まず、感じたのは『素直さ』。

以前(去年かな)、SP社の試乗で1つ前のモデルであるS-WORKS Carbon 29HT(XTR仕様・フロント2枚・カーボンホイール)ってのを紹介した(その時もかなり走りこんでいた後だった)が、あのマシンは私に「これが29erのリアルレーシングマシン」と言わんばかりの強烈な印象を残した。

それは走破性やホイールの慣性、ステアリングの特徴まで、自転車が29erを主張する感じだった。但し、当然レーシングモデルなので機敏さやパワーをかけたときの反応など、29erのネガな部分は殆ど無いような、「突き刺さる」が如く、競技車両の尖った感じが見受けられた。

それに対し、このTE01は正直、今乗っているKW(ご存知26inだよ)と操作感が変わらないのだ。

最近良く雑誌でも「29erなのに機敏」とか「29erだが26inの感覚」とか聞くが、そうじゃない。急にある一定のポイントから切れ込むとか、軽量パーツのセレクトで踏んだ感じが26in並に軽い、というような無理矢理感がない。

普通にマシンを倒していけば、ステアが切れていく。ハンドルを“こじる”動作は必要ない。また、ホイールとのマッチングもあるだろうが、立ち上がり時の踏み込みもスムーズ。(ホイールが)カーボンだから軽く踏める、という意味ではなく、急なトルク変化じゃなく、心地良い「カカリの良さ」で加速する。リアバックが微妙なテイストで纏められているのが分かる。

但し、これも自転車のセンターに重心を持って行った時の話で、突っ張ったり、フロントの荷重を抜くと直進性は強くなる。コーナーリングや下りで「きちんと自転車に乗る」技術は最低限必要。

『2割速くなれる』というセールストークは?だったが、後から考えればこの疲れた身体で本コースの坂をフロントセンター×リア(カセット)ローから2枚目までで乗りきってるんだから、知らず知らずに速く走っているのかもしれない。

現在のWCをトップ集団で走るマシン(レプリカ)を2種経験したが

『これぞトンガリレーシング29er』を味わいたいならSWHT、『高い基礎特性で戦いたい』ならこのTE01だな。

最後にリクエスト。これだけ軽量化されたフレームだから、パイプが薄いのは当然。某大手じゃないが、ここはダウンチューブ辺りに何か保護デバイスが欲しいな。社外品でも、自作でも、たぶん必要だと思うよ。

2013年12月 1日 (日)

禁断のFITカートリッジ ダンパーオイル交換~2012 32 FLOAT100 FIT Remote(OE)

ついに・・・そしてやっと・・・あのダンパーユニットをイジる日が来た。気になって気になって2年、ようやくメーカ本国サイトのヘルプにこのフォーク=2012 32 FLOAT100 FIT Remote関連の情報がupされた。

この時代のFITダンパーのフォーク、バスオイルまでのメンテは、旧オープンバス時代に比べ簡単ではあった。が、肝心の制御部であるダンパーオイル交換は、シロウトが手を入れられない状態だった。ディストリビューのタHPでは、同RLCタイプの簡易なメンテ方法は公開されていたが、私のRemote関連の情報は無し。確かに、出荷量も少なそうだし、使っている人も殆ど見ない。特に“フォークのロック”を重視するライダーはXCレースする人くらいだし。

ここ数週間、急激に気温が下がり、サスの動きが特に悪く感じられるようになり、「ダンパーだけ外して、ディストリにメンテに出そう」と考えていた。そう、ダンパーだけを販売店経由で輸入元にメンテしてもらうと、多少なりともお安く上がるからである(因みにXC系32フォークで、ダンパーのみ扱いで約5千円~、フォークごとだと約1万5千円~の基本料金がかかるとな。当然交換部品が増えると増額)。

「何とか安く上げたい」「構造を知りたい」と、いつものサスフェチ魂にスイッチが入り、改めて情報収集し、「よし、自分で出来るハズ!」と決めたのがこの週末。メンテに出して1週間以上自転車に乗れないより、1日我慢でその後も乗り続けられるほうがいい=『“乗らない”言い訳を作らない』という理由も後押し。早速金曜夜に店から諸々買ってきた。

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フォークオイルは指定の純正10wt_RED。純正?サービスツールとしてシリンジ(インジェクタ)。ここには載せてないがクラッシュワッシャー1対。因みにオイルは“FUCHS”とボトルの蓋に書いてある。調べると、容器の形も全く同じだからフックス・シルコリン製だろう。

必要なものは、上記以外に純正10wt_GREENオイル(もしくは旧7wt=私はこれ)。アウターケースを抜いた段階でバスオイルが吐出されるので必須。工具はアーレンキー1.5mm(ロックリモートカム)、2mm(リバウンドダイヤル)、2.5mm(ブレーキケーブルマウント)、3mm(リモートワイヤマウント)、4mm・5mm(ステム周り・キャリパ)、ボックスレンチ10mm(ボトムナット)、ソケット27mm(トップキャップ)、小さなマイナスドライバー(トップキャップリテイニングリング=Cリング)、プラハン。オイルパン、ウェス。

今回、寒いので基本作業は室内で。ブルーシートを床に敷き、作業開始。

いつものお約束。もし、コレを見て作業される方は自己責任で。先出のメーカ本国サイトを充分に読解して、納得した上で作業を。

さて、分解。

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リモート関連取り外し、トップキャップを緩める。なお、Remoteトップキャップのは27mm。RLCとかは26mmなのでご注意。

ここまで出来たらフォークを外しにかかる。ホイールを外し、キャリパを外し、ブレーキケーブル(ホース)留めを外し、ステムを緩め、ヘッドキャップを取り外すとズコン!とフォークが落ちてくる。

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本体はフロアポンプとフレームはボロチューブで縛り、ステム~ヘッド部に8mmのロングなアーレンキーを刺して引っ掛けてある、の図。

久しぶりに“落とした”フォークを見れば傷だらけ。ショックだったのはインナーチューブ内側に小さな掻き傷あり。

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まあ、油も引いてこないみたいだし、放置しかないな。2年使って激しくレースにも、だからそりゃなるわ。

フォークを一通り拭き上げたら、アウターケース取り外し。

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アウターケース外して、FITダンパー外して、フォームリング抜いて洗って、まで。

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コイツがFITカートリッジ。因みに右の一番細い部分がダンパーシャフトだが、その左先端に付いているピストンバルブ(中に入っているので見えない)が、中央の黒いカートリッジボディ内を往復し、抵抗を生じさせる。その際、押されたオイルは一時的に左のブラダに流れ込み、そのゴム本体を膨らませる。“入り”初期は逃げ場が“柔らかい”の入って行き易く、後半はゴムが張る。“伸び”時は深く入った分をゴムが押し戻すので初期速度は速い。伸びきる前は流速が遅くなる、という仕組み。いわゆるプログレッシブダンパーだな。

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“通常”~“膨らむ”~“痩せる”。痩せるはダンパーを引いた場合=ネガ側の伸びを取った場合。これからの作業前に、本体の「標準時」の全長=ダンパーシャフトの突き出し量をチェックする必要があるのだが、そこは今回165mmだった。因みに引き切ると178mm。約1.3mm余長見てあるな。※この数値は絶対値ではなく、おおよその目安。充填されるオイル量を測らないので、標準時(ニュートラル・0G時)の無理のないポジションでのオイル決めとなる為。

さて、メインイベント。ダンパーオイルを換える。そのためにトップキャップ内のプランジャー=ロックアウト用フタを取る。そのためにはリテイニングリング=Cリングを外すのだが、ここが今回一番手間取った。

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内側の出っ張りにあるCリングじゃなく、外回りに切れ目が見えてるCリング。コイツが厄介でほんの少し切り掻きがあって、そこにマイナスドライバーを当てるのだが、まー小さすぎて掛からない。カッターナイフとかメガネ用精密ドライバーとか、ラジオペンチとか爪とか・・・結局諦めて先の小さなマイナスドライバーを買ってきて、ようやく・・・ピン!と弾いて飛んで行って外れた(ベランダでやってたら無くしているトコ)。

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プランジャーとバネと。小さく油に沈んでいるのがリテイニング(コレはだいぶ油を出してから撮った)。ここまで外れれば、ブラダとカートリッジに通じるトップキャップ中央の穴に、シリンジを挿して、新しい油を満たし、後はディスクブレーキのブリーディングの要領で油を排出&エア抜きすればいい。

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ダンパーシャフトを押し込み、ブラダを握ると古い油が上がってくる。少し濁った、オレンジ色に変色したのが見える。それをスポイト~今回忘れたので太いストロー~で吸い上げ、オイルパンに流す。

ある程度油面が下がったら新しいのを足し、もう一度同じ作業。さっきより濁りの少ない油が上がってきて、それを捨てる。そしてまた新しいのを足す。そこからダンパーシャフトを何度も往復させ、気泡を抜く=ブリーディング。明らかにシャフトを動かしている時、ブチュブチュ言って、シリンジに気泡が上がってくるのだが、何度か繰り返すうちに音がしなくなる。

そしてもう一度“絞り”、それを摘出して、再度新しい油を入れ、湧き出す分の色が殆ど新品と変わらないことを確認して、シリンジから全ての油を抜く。この際、ダンパーシャフトは「ニュートラルポジション」へ。

シリンジを抜いた後、トップキャップに溢れている余分な油をしっかり拭き取り、ヘルプに記載してあるように『油面を確認』し、スプリングとプランジャーを挿入、リテイニングを嵌めて出来上がり。再度ダンパーシャフトを動かし、プランジャーを押して“ロック状態”になるか確認し、完了。

後は逆手順で。ダンパーを取り付け(この段階では手で締める程度)、忘れずフォームリングにしっかり油=10wt_GREENまたは7wtを滲み込ませ、アウターケースを挿してバスオイルを流し込む。

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新しいクラッシュワッシャーを挟んでボトムナットを締め、リバウンドダイヤル取り付け。

フォークをフレームに組み付け、ステムを締め、ブレーキ関連、リモート関連取り付け。ホイールをセットし、ハンドル角やキャリパ位置あわせ。最後にサスのエアチャンバーを適正値まで加圧し、リバウンドダイヤルを締め緩め+ロックレバー動作を確認し、ミッション完了。

スムーズだ。

明日走って見ないと何とも言えんが、間違いなく機能は復活してるだろう。

既にFOXの現行ダンパーがFIT_CTDになってるので、この作業TIPSも陳腐になってしまってるが、自分にとっては大事だし、経験しておいて正解。次回からはもう少し早く出来そうなので、これで安心してサスに頼れる?だろう。=運転下手は機能に頼るしかないから。

以下、参考までに

*オイル使用量(ボトルの目盛りの減りから)

10wt_RED:約140cc=充填30cc程度(ヘルプ・OIL表から)+シリンジでの洗浄・廃棄~多分、普通はこんなに使わなくて良いハズ。

10wt_GREEN:約60cc=バスオイル20cc×2(左右)+フォームリングに

*ブリーディング時間

約40分(放置含む)

2013年11月24日 (日)

ハンドルを変えてみる。~EASTON EC70 XC LowRizer

この土曜は久しぶり、消耗品以外の部品交換。

いや、今のポジションに不満があった訳ではない。ただ、最近の皆の自転車が“そういう傾向”にあるので、見た目「腕を広げて乗ってたらカッコイイのでは?」という感じ。オチ系にしたい訳ではなく、29er連中のイメージ。=実の所で彼らのワイドハンドルは意味があるのだが。

今まで装着分はRitchey Carbon WCS Rizer(Low)だ。eやまさんから譲り受けたコイツは3~4年ほど活躍。標準の680mmから両端20mmずつ落とし、640mmで使ってきた。

その幅はその前に装着してたアルミのライザーがそれだったから(これもカットして640mm)。その前はオールドスクールなストレート、560mmだった。もっと前は・・・そう、昔は550mm前後のストレートにバーエンド付けて~とかが一般XCライダーの雛形だったのだが。

ゴタクはさておき、見た目の変更も新鮮でええかと。

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上手く表現できてない。仰角と退角はほぼ同じ。そのまま端部延伸。

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スペックとか。W:685mmなので、正確には全体で45mm広くなる。

取り付けは、微妙な“反り上がり”を見せなければならないので慎重に。間違っても、ハンドル端が下がって見えてしまうアングルがあってはならない=ライザーはオニハンたれ、である。

更に、伸びたハンドルエンド部が、サドルより高くなるのはご法度。「XCはハンドル端の地上高がサドルトップ高を越えてはならない」・・・コレ、XC車の“佇まい”を表現したいなら大事かと。別にその本人の力を入れ易いポジションがアップライト気味であるなら、気にする必要ないけど。

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出来上がり。

ここで「なんでそんなもんに今更お金を?」とギモンな諸兄、ちゃうちゃう。元々このKWの完成車に付いていたモノ。工場からの初期出荷状態に戻っただけ。2年前の当時、さっとポジション出す為に、サドルとハンドルは今までSW-HTに付いてたのを移植してたのだ。

作業後、午後からは残務処理に会社へ。その際KWで移動、ついでにセンター出し。乗ってすぐ「うわっ、他人さんの自転車乗ってるみたい」というのが感想。走って見るとコーナーとかが大袈裟になった感じ。怖いのは車道端を走行中に右から車が抜いていく、或いは信号で側面から前に出ようとした時、「なんか接触しそう」。実際は握ってる場所から突き出している部分は今までと同じなので、手の位置が幅、ってのは変わらないハズ。でも違和感。

ま、実際、山で走ってナンボだから、翌日曜を楽しみにしよう(と思っていた)。

2013年9月 8日 (日)

グズるタイヤ。~TL Ready

もう来週末だよ富士見。同じく王滝班も大変精力的とな。

土曜は出勤で、ホントは朝一にでも乗っておきたかったが、週中の出張疲れか、起きれず。更に夕方から日曜まで天気が崩れるって話だから、もうがっかり。

その土曜は定時(15時)に会社を退いて、散髪行って、家に帰ってタイヤ張り。日曜出られるか否かはワカランが、もう1週間前だからさすがに試合仕様にしないと。

今回、嵌める段階から新品のRocket Ronはちょっと苦労した。先週からなじみを出す為に早くから“形”にしたにも関わらず、ビードは一発では上がらず、やり直し数回。汗だくになった。

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続けてリアもシーラント補充だけしておく。開けてみれば案の定、液体は無かった。

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ま、とにかく土の上を走れる用意だけは整ったか。そして作業が終わった頃、雨が降り出した。家の中に自転車を取り入れる。

ところが夕飯食ってふと自転車を見ると、フロントタイヤぺしゃんこ!さっきあれだけシェイクしたり揉んだりしてたのに・・・

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再度インフレートすると・・・ん?何事も無かった?・・・10分経過、プシューっと。どうやらサイドに穴があるらしい。そこにシーラントが流れるようホイールを傾けて見ると、その時は空気漏れが止まるが、暫くするとまたシューって。一応店に連絡し「初期不良かも?」と言っておく。

夜半にFBで『諦めるな』『そんなモン』『もっと寝かせるべき』とアドバイスをもらい、翌朝(日曜朝)にその手順を実行してみる。

初めは再度シェイクし、顕在化してる穴(シューという場所)が塞げるかチェック。これは上手くいった。しかし30分ほど経つとまたタイヤはベコベコ。別の部分から空気が抜けているらしい。そこで『サイドに小さな穴があって、そこから抜ける場合があるから、暫く寝かせとけ』とのお達しの元、ホイールを水平に置く。

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これが効いたか、30分ほどして裏返すと数箇所シーラントの滲み出た場所が。また圧が下がったので、今度は裏返しで再インフレート。これも30分程待つ。

すると今度はタイヤはしっかりとした緊張を保ち、更に下側に置いた面からさっきと同じように白い液が出てきている。それも4箇所。

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(写真はそのうち連続する3箇所)この段階でやっとタイヤにコシが出てきたので、一度走ってみる事に。幸い、午後から雨が止んだ。さて、使いものになるか、このタイヤ?

2013年9月 1日 (日)

雨天走行後は整備しなきゃ

昨晩から一夜明け、恐る恐るクランクを押してみる・・・動いた!助かった!

昨日の雨天走行はマジ土砂降りで、一番冠水している場所はバルブトップまでしっかり浸かる状態。それが30分、家に着くまで全く雨脚が弱まることなく降り続いた。そんな中を走ったもんだから身体はずぶ濡れ、ディパックの中は浸水、自転車は上から下から洗浄機当てたみたいなもん。中に水が浸入していてもおかしくない。

午前中名古屋は天気が持つということで、走りに行きたいのをガマンして自転車をばらしにかかる。といってもヘッドとBBだけだが。

まずヘッド。泥レース後など、洗車したからと放置したままにすると、結構な確立で下玉がアウトになる(昨年のJ1高島後に一度交換している)。今回もそれを避ける為、ちゃんと機能してるか確認とグリスの充填を行う。

フォーク抜くだけ、なのだがプロセスは多い。プロみたいにハンガーがあるわけじゃないので、ヘッドの位置を保持する為フロアポンプを支えに(養生テープで固定して)してからホイールを外し、キャリパー、ブレーキホースマウント金具、リモートボタン、リモートワイヤーマウント+ステ管裏蓋、そこまで外してからヘッドキャップ(トップキャップ)とスペーサーを取り、ステムボルトを緩める。すると一気に「ごそっ」とフォークが自重で下りてくる。「おわっ!」とフリーになるハンドル周りと、落ちていくフォークを支えて、どうにかこうにか分離させる。ポタポタ・・・やはり水が滴ってきた。

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この状態で不意に触れないようにして

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真っ黒なベアリング類を外して、きれいに拭いてやる(ディグリーザorパーツ洗浄剤は使わず)

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輪っかがいっぱい出来上がる。プラモデル好きとかだと、部品点数が多いと妙に嬉しくなる。

幸い、下玉も異常なし。折角フォークを外したので、暫し逆さにして「油アゲ」をしてみる=フォームリング側に潤滑油をまわす。かなりのお手抜きだが。

後はケチらず各部にグリスをこってり塗って再組立。このパートだけで約2時間近く。プロなら怒られるが、素人はゆっくりじっくり眺めながら遊んでいるので問題なし。

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で、BBのほうに作業を移動。回ってるので油膜が効いてるようだが、念のため更にグリスを盛り込む事にする。左クランクを外し、改めてテンショナーや楔部の汚れたグリスを拭い去り、シャフトを叩いて右クランクを抜く。こちらはパーツ洗浄剤でチェーンホイール含めて拭き上げる。

Bb

ボトムケース内に水の浸入は無く(前回もそうだが、意外にここまで入らない)しっかり油が乗っているが、ここは更にベアリングが溺れる位、外側に油膜を張る為グリスを塗る。因みにベアリングの内部はテフロングリスだろうか?白いグリスが充填されていたのでそこはそのまま。

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組み付けて出来上がり。はみ出たグリスは拭き取り。チェーンは汚れているが、チェーンホイールがキレイ。

ついでにペダルにもグリスを入れて完成。ここまでの作業で昼前になった。

さて、午後から走るか?

~オマケ

こんな事、私と同じフォーク=2012 32FLOAT100 FIT Remoteを持ってない人は全く関係無いが、折角なので。

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リモートのボタン部。リモートレバーでワイヤが引かれると、中の黒いナナメの臼が移動する。すると手に持つアルミの臼が押し出される。

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ボタンを外したダンパートップ。この内側部が押し込まれる事によってオイル流路が断され、フォークがロックする。

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ロック時。1~2mm程度押し込まれる。

実は、もうひとつ今回の整備時に目論んでいた作業がある。・・・そう、禁断のFITカートリッジのダンパーオイル交換。ディストリのHPにも手順が公開(メーカHPより作業点数が少なく、特殊工具無しでも可能な方法)されているので挑戦使用としてたのだが、それはRLCタイプの話で、このRemoteはどうもそれが適用できない感じ。店にも相談したが、完全分解ならまだしも、万力すら使わない方法では難しいな、と。

それと、この作業に要する消耗品としてのオイル=純正10wtRedを買うと、ボトル約1Lで3,500円超。クラッシュワッシャー他も買うと4,000円近くなる。それで1回に使う油の量が30cc程度・・・不要に在庫を抱える事になる。それよかダンパーのみ輸入元に送り、交換作業を依頼すれば約5,000円(フルO/Hだと12,000円~)・・・中身を見たいサスフェチとしては残念だが、委託する以外方法はなさそうだ。

F80の時に使った26mmのソケット(レンチ)は使えないので、27mmソケットまで買ったんだが・・・ま、ダンパー抜く時使うけどね。そしてこの作業はシーズン終わってからだ。

2013年8月30日 (金)

2013RockshoxのSolo Airってのは

先日、Rockshoxのエアスプリングシステムについて論する事があった。

2013年度モデルから、XC系の代名詞のSIDやRebaシリーズを初め、同社のエアスプリングは殆どが「Solo Air」システムとなっている。作り手からは、従前の目玉であった「Dual Air」から、構造の簡素化による軽量を目指した、という風な説明がされているものの、機構に関しては“すかした”ような説明文しかなく、何も分からない状態。そこでどんな動作で機能しているのかが非常に気になり、サスフェチな自分としては『コイツはいっちょ調べないと』と乗り出した次第。

というのも、2013年版SIDを所有する友人より、『脚が縮む(ストロークが落ちる)』という報告を聞いて、このSolo Airって仕組みを、名前の感じからFOXのエアスプリングと同じ構造=ポジティブ側がエアチャンバー、ネガティブ側がスプリング~と思っていた私が、間違ったトラブルシューティングをした事がきっかけ。思い込みって恐ろしい、ハズカシイ。

まず、WEBで図説やGIFアニメなんかで解説してないかな・・・と見てみるも探し出せず。そこでSRAMのサービスのページからサービスマニュアルとパーツリストをDL。機能説明は・・・無い。じゃあ自分で想像するしかないのか・・・。

以下、あくまでも“私の頭”程度で思考した内容。「間違いアリ!」の指摘覚悟で恥を晒す。

Sid2013_soloair

これはSIDのサービスマニュアルに記載されている展開図(エアスプリング側のみ抜粋)・・・しっかり見たい人はここからサービスマニュアルをDLしてちょうだい。

非常に簡単な構造で部品点数も少ない。基本、インナーチューブ上側のトップキャップとエアピストンに挟まれた空間がポジ側の気室(ポジティブエアチャンバー)になる。じゃあネガチャンバーは?

マニュアルの分解手順写真から、シール(Oリング)が付いている部品はトップキャップ、エアピストン、フローティングシールヘッドのみ。先述の通り、トップキャップ~エアピストン間でポジチャンバーを形成しているので、エアピストン~フローティングシールヘッド(以下FSH)間がネガチャンバーになるのか?

しかし、そこに外部から空気を充填する方法が見当たらない。空気を入れる場所はあくまでトップキャップにあるシュレッダーバルブのみ。HPの説明は「自動で均衡が保てるよう調整される」みたいな語り口だが、どうやってやるんだ?内部側でエアピストンやシャフトに特殊なバルブや空気の流路は見当たらない。

そこで稚拙な絵を描いた。

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インナーチューブ・ロワーレッグ・エアピストンとFSH・シャフト(+インナーチューブ下端はエアシャフトガイドで蓋をしたイメージ)のみの絵だ。

まず、図1でポジ側に充分(適正)な圧力の空気が充填されたとする。そしてフォークを圧縮すると、ポジチャンバーは狭くなり、圧力が上がる。当然全体で短くなるので、ロワーレッグ側の空気も圧縮されるが、ここはシールされてないので何かしら漏れていくと考える。

そして図2では高圧になったポジチャンバーは、逃げ場が無いとなると、空気の一部を負圧になってるエアピストン~FSH間へシールの隙間を通って逃がす・・・くらいしかこの空間同士の空気の移動方法が考えられない。するとFSHはその圧を更に逃がそうと、伸び方向(下)に移動し、気室の容量を増やす。

で、今度はフォークが伸びようとする際、ポジチャンバーがエアピストンを押す勢いは先程のエアピストン~FSH間の空気をも圧縮する=ネガ側に力(抗力)が生じる。

おお、これなら説明が付くな。・・・ん?

これを繰り返すと、ポジ側のエアはどんどんエアピストン~FSH間に逃げ(乗車している以上、ずっとポジを縮めようとする力は働きっぱなし)、どんどんポジ室が狭くなる=脚が短くなるじゃないか?

もしくはその仮の“ネガ室”からポジ室側へ空気が逆流(図3)したら安定する?・・・NO。それじゃインナーチューブ全体の圧力が、“シールの甘いエアピストン”に掻き回されるだけで、フォークの伸び=ポジチャンバーの抗力が発生しない。

おっかしいなぁ・・・(考える事1日半)・・・そうだっ。

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エアピストン~FSH間を“ネガ室”と考えるのではなく、更にその下側、FSH~エアシャフトガイド間を“ネガ室”に考えればどうだろう?加えて、シールは強固で、簡単にはそのOリングを抜けて空気が漏れていくことが殆ど無いと仮定する。(図1)

さっきと同じようにフォークが縮むと、FSH~エアシャフトガイド間は負圧になるが、エアシャフトガイドにはシールが無いので、若干でもロワーレッグ側から空気の供給があり、定圧に保とうとされる。(図2)

ポジチャンバーのしっかりした圧力がエアピストンを一気に押し戻し、フォークが伸びていく際にFSH~エアシャフトガイド間は多少なりとも圧縮され、弱いながらも抗力=ネガ側圧力が発生する。(図3)

これでどうだ。

そもそも、ネガスプリングの仕事と言うのが

①フォークを縮めようとする力(の補助)

②過剰な伸びの抑制(=伸びようとする速さを抑える、伸びきってしまう強さを抑える)

だと思う。①はそもそもSAGを取って1G'で既に縮む方向に準備ができている、②はガツンとフォークが伸びないようにだから、ダンパーが効いているので強い力は必要ない。FOXのネガスプリング(コイル)も、ポジ側の圧力が一定以上下がらないと伸びてこない程、ポジ圧に比べれば弱いもの。

以上から、後者の説明の抗力程度で充分だと思う。更に細かな路面からの衝撃がある場合、できる限りエアスプリングは抵抗無く動いて欲しい。ネガ側が比較的低圧ならその効果は期待できる。

では、元のお題、『脚が短くなる』のは何が原因か?

・・・前者の説明で言ったように、エアピストン~FSH間に空気が入れば入るほどシャフトの突き出しが減るのでフォークは縮む方向になる。

所有者の彼曰く「フォーク(ロワーレッグ)を引っ張ると『ズコッ』と音がして元の長さに戻った」そうだから、当にその場所に空気が漏れ込んだと考えるのが妥当ではないだろうか?

じゃあ、しっかりポジチャンバーの気密をどうして保てなかったのか?

考えられる要因はいろいろあるが、フォークの変形やキズが無いと過程すると、Oリングやインナーチューブ内壁、エアシャフトに塗った油脂が問題になる。メーカ指定では“グリス”になっているが、理想は純正モノ、用件は摩擦による高温に耐えうる、膜切れしない粘度、ひいてはフォークオイルに流されるような易溶解性じゃないタイプとなる。それも組み付け時タップリと塗っておく必要があるかと。

このエアスプリングを、ポジチャンバー内にフルードを少し入れ、気密を保つような手法(FOXのような)で組み上げると、おそらくグリスは流れてしまうだろう。やはりサービスマニュアルは一度見ておく必要があると私は思う(あくまでメンテナンスを自分でやる場合)。

・・・とまあマコトシヤカニ論を進めたが、後者の論が正解を前提とした説。ここが間違っていると総崩れ。さて、識者の方、どう?合ってる??

2013年8月 4日 (日)

SUGOi ARM COOLER

久しぶりにモノネタを。

要は昨今着用者が増えてきた夏用アームカバー。アイテムが世に出て結構経つが、私のような昔人間は『男子たるもの、黒く日焼けしてこそ』な時代に育った為、どうも“日焼け防止”なる小道具を使うのに抵抗があった。

加えて使用者から『暑い』だの『じゃま』だの聞くと、そんなモンに5,000円近くも出せるかと、余計に拒否していた。

しかし、残念ながら皮膚が弱く“なった”し、更にウルシに毎年やられる自分が居て、何かしら対策を、と思っていた。当初油=スポーツ用クリームで防御していたものの、暑くなるとそれも流れて、そのウルシの洗礼を受け、先般のような酷い状態に。

そこからもう服でカバーしなきゃ、って事で、長袖を買うかこのアームカバーか、という選択に。そうするとお金の問題からも、アームカバーとなる。

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で、コイツ。実はこの写真は「2枚目」、そう、洗い替えの為もうひとつ買ったのだ。手放せなくなった、とでも言うのか。

何せ“安い”。定価2,100円(税込)。他社は5,000円くらいするが、これがアームカバーとして最も実勢価格な感じ。因みにこの手は調べるとゴルフ用などが非常に種類も柄も多く、価格帯がこれぐらい。かのCW-Xも同じ値段。だから自転車ブランドに拘る必要はないかもしれない。

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装着感は普通にぴったり。私のような175cm痩せ型(一般論で、だ。自転車乗りでは太いほう)でMサイズ。SUGOiは4サイズ展開している(基本ユニセックス)。

機能的には、これまた「暑くない」。「icefil」というヒンヤリ加工をしているようだが、買ったすぐのときは『そうかな?』と思ったが、数回洗うとその感覚もなくなってきた。ただ、直射日光に当っても「暑く感じない」のは優秀じゃない?

それより、自分が気に入った点は、ウルシを避けてくれている点もそうだが、翌日から身体のだるさが出ないことだ。気付かないうちに日焼けが身体を火照らせ(まあ、一種の火傷だからな)、それが体力を奪って翌日=平日に響くのだが、それが軽減された気がする。

『(日に)焼けた男はカッコイイ』のポリシーに反してしまうが、もう日焼けで皮膚めくってる場合じゃないし、昔より紫外線強くなってるし。これからは考え方を少し変えないとな。といいつつ、顔や首筋は対策してないアカン人だけど。

2013年7月24日 (水)

RD周りを再組。

さて、ハンガー交換し、諸々組み付けますか。

日曜に店=One on Oneにメールし、即対応してもらって昨晩、一通りの部品を揃えてもらった。

Photo

ハンガー(ネジつき)、HG94チェーン、シフトワイヤー内外+キャップ類。コレだけで7,000円近くの出費になった(痛い)・・・ハンガーが高い=3,000円超。汎用ではなく、ほぼ2012KW専用らしい。

事前に本体を拭いたり、取り外さなければならない部品は外してキレイにしておいた。

ハンガーは折れた直後は

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こんな感じ。単品で見ると

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見事に破断(写真はハンガー裏=内側から見たところ。ヘリサートと共に)。店で見てもらうと、全く捻れること無く、真っ直ぐ縦方向、ハンガーが開く方向に力がかかっているとの事。断面に瞬間接着剤でも付ければくっつくんじゃない?というレベル。RDにどんなものが、どんな勢いでヒットしたんだろう?

で、それを外した状態

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そこに新品のハンガーを

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取り付ける

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ネジもケチらず新しいのに付いてきた分を使用。

で、その他諸々を組みつけていくと

Rd

直った。

動かすと普通に変速するので、RD本体の歪みなどは無いようだ。これ以上の出費は勘弁。

早速乗れそうだ。

しかし、怪我3日目にして、はっきりと“ヒビ”らしい症状が。クシャミはたまらなく痛い!咳しようとすると、身体が拒む!鼻が勢い良くかめない!

加えて背中も打撲してるのか強く張っている。屈んだり歩いたりする度ジンジンする。

ちょっと乗れそうに無いか?乗れても土の上はキツイだろうな。