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2013年8月30日 (金)

2013RockshoxのSolo Airってのは

先日、Rockshoxのエアスプリングシステムについて論する事があった。

2013年度モデルから、XC系の代名詞のSIDやRebaシリーズを初め、同社のエアスプリングは殆どが「Solo Air」システムとなっている。作り手からは、従前の目玉であった「Dual Air」から、構造の簡素化による軽量を目指した、という風な説明がされているものの、機構に関しては“すかした”ような説明文しかなく、何も分からない状態。そこでどんな動作で機能しているのかが非常に気になり、サスフェチな自分としては『コイツはいっちょ調べないと』と乗り出した次第。

というのも、2013年版SIDを所有する友人より、『脚が縮む(ストロークが落ちる)』という報告を聞いて、このSolo Airって仕組みを、名前の感じからFOXのエアスプリングと同じ構造=ポジティブ側がエアチャンバー、ネガティブ側がスプリング~と思っていた私が、間違ったトラブルシューティングをした事がきっかけ。思い込みって恐ろしい、ハズカシイ。

まず、WEBで図説やGIFアニメなんかで解説してないかな・・・と見てみるも探し出せず。そこでSRAMのサービスのページからサービスマニュアルとパーツリストをDL。機能説明は・・・無い。じゃあ自分で想像するしかないのか・・・。

以下、あくまでも“私の頭”程度で思考した内容。「間違いアリ!」の指摘覚悟で恥を晒す。

Sid2013_soloair

これはSIDのサービスマニュアルに記載されている展開図(エアスプリング側のみ抜粋)・・・しっかり見たい人はここからサービスマニュアルをDLしてちょうだい。

非常に簡単な構造で部品点数も少ない。基本、インナーチューブ上側のトップキャップとエアピストンに挟まれた空間がポジ側の気室(ポジティブエアチャンバー)になる。じゃあネガチャンバーは?

マニュアルの分解手順写真から、シール(Oリング)が付いている部品はトップキャップ、エアピストン、フローティングシールヘッドのみ。先述の通り、トップキャップ~エアピストン間でポジチャンバーを形成しているので、エアピストン~フローティングシールヘッド(以下FSH)間がネガチャンバーになるのか?

しかし、そこに外部から空気を充填する方法が見当たらない。空気を入れる場所はあくまでトップキャップにあるシュレッダーバルブのみ。HPの説明は「自動で均衡が保てるよう調整される」みたいな語り口だが、どうやってやるんだ?内部側でエアピストンやシャフトに特殊なバルブや空気の流路は見当たらない。

そこで稚拙な絵を描いた。

1

インナーチューブ・ロワーレッグ・エアピストンとFSH・シャフト(+インナーチューブ下端はエアシャフトガイドで蓋をしたイメージ)のみの絵だ。

まず、図1でポジ側に充分(適正)な圧力の空気が充填されたとする。そしてフォークを圧縮すると、ポジチャンバーは狭くなり、圧力が上がる。当然全体で短くなるので、ロワーレッグ側の空気も圧縮されるが、ここはシールされてないので何かしら漏れていくと考える。

そして図2では高圧になったポジチャンバーは、逃げ場が無いとなると、空気の一部を負圧になってるエアピストン~FSH間へシールの隙間を通って逃がす・・・くらいしかこの空間同士の空気の移動方法が考えられない。するとFSHはその圧を更に逃がそうと、伸び方向(下)に移動し、気室の容量を増やす。

で、今度はフォークが伸びようとする際、ポジチャンバーがエアピストンを押す勢いは先程のエアピストン~FSH間の空気をも圧縮する=ネガ側に力(抗力)が生じる。

おお、これなら説明が付くな。・・・ん?

これを繰り返すと、ポジ側のエアはどんどんエアピストン~FSH間に逃げ(乗車している以上、ずっとポジを縮めようとする力は働きっぱなし)、どんどんポジ室が狭くなる=脚が短くなるじゃないか?

もしくはその仮の“ネガ室”からポジ室側へ空気が逆流(図3)したら安定する?・・・NO。それじゃインナーチューブ全体の圧力が、“シールの甘いエアピストン”に掻き回されるだけで、フォークの伸び=ポジチャンバーの抗力が発生しない。

おっかしいなぁ・・・(考える事1日半)・・・そうだっ。

2

エアピストン~FSH間を“ネガ室”と考えるのではなく、更にその下側、FSH~エアシャフトガイド間を“ネガ室”に考えればどうだろう?加えて、シールは強固で、簡単にはそのOリングを抜けて空気が漏れていくことが殆ど無いと仮定する。(図1)

さっきと同じようにフォークが縮むと、FSH~エアシャフトガイド間は負圧になるが、エアシャフトガイドにはシールが無いので、若干でもロワーレッグ側から空気の供給があり、定圧に保とうとされる。(図2)

ポジチャンバーのしっかりした圧力がエアピストンを一気に押し戻し、フォークが伸びていく際にFSH~エアシャフトガイド間は多少なりとも圧縮され、弱いながらも抗力=ネガ側圧力が発生する。(図3)

これでどうだ。

そもそも、ネガスプリングの仕事と言うのが

①フォークを縮めようとする力(の補助)

②過剰な伸びの抑制(=伸びようとする速さを抑える、伸びきってしまう強さを抑える)

だと思う。①はそもそもSAGを取って1G'で既に縮む方向に準備ができている、②はガツンとフォークが伸びないようにだから、ダンパーが効いているので強い力は必要ない。FOXのネガスプリング(コイル)も、ポジ側の圧力が一定以上下がらないと伸びてこない程、ポジ圧に比べれば弱いもの。

以上から、後者の説明の抗力程度で充分だと思う。更に細かな路面からの衝撃がある場合、できる限りエアスプリングは抵抗無く動いて欲しい。ネガ側が比較的低圧ならその効果は期待できる。

では、元のお題、『脚が短くなる』のは何が原因か?

・・・前者の説明で言ったように、エアピストン~FSH間に空気が入れば入るほどシャフトの突き出しが減るのでフォークは縮む方向になる。

所有者の彼曰く「フォーク(ロワーレッグ)を引っ張ると『ズコッ』と音がして元の長さに戻った」そうだから、当にその場所に空気が漏れ込んだと考えるのが妥当ではないだろうか?

じゃあ、しっかりポジチャンバーの気密をどうして保てなかったのか?

考えられる要因はいろいろあるが、フォークの変形やキズが無いと過程すると、Oリングやインナーチューブ内壁、エアシャフトに塗った油脂が問題になる。メーカ指定では“グリス”になっているが、理想は純正モノ、用件は摩擦による高温に耐えうる、膜切れしない粘度、ひいてはフォークオイルに流されるような易溶解性じゃないタイプとなる。それも組み付け時タップリと塗っておく必要があるかと。

このエアスプリングを、ポジチャンバー内にフルードを少し入れ、気密を保つような手法(FOXのような)で組み上げると、おそらくグリスは流れてしまうだろう。やはりサービスマニュアルは一度見ておく必要があると私は思う(あくまでメンテナンスを自分でやる場合)。

・・・とまあマコトシヤカニ論を進めたが、後者の論が正解を前提とした説。ここが間違っていると総崩れ。さて、識者の方、どう?合ってる??

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